デスク配置の基本8パターン|メリット・デメリットまとめ

2023.10.04
/ 2024.03.13 update
デスク配置の基本8パターン|メリット・デメリットまとめ

働き方改革が進むなど社会全体の動きとして、職場環境の見直しや業務効率化がより重視されています。そのため、オフィスレイアウトを最適化する必要性も高まってきました。

執務室やワークスペースのデスクにはさまざまな配置パターンがあり、最適化すべきものの一つです。業務効率が悪い、人員の増減に対応できていないというオフィスは、業務形態や社風にそぐわないレイアウトによって、働きにくさが生じているのかもしれません。

業務や職務によって効率よく仕事する、かつ限りあるオフィスのスペースを有効活用するために、デスクの配置を工夫しましょう。

ここではデスク配置のレイアウトパターンによりスペースの使い方やコミュニケーションにどのような効果が得られるのか、メリットとデメリットも交えて比較していきます。

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パターン1)対向式型レイアウト <島型・アイランド型>

対向式型レイアウト

日本で最も多くの企業で採用されているスタンダードなレイアウトパターンです。最小のスペースで多くのデスクを配置できます。他のパターンと比べ20%~50%少ないスペースで同じ量のデスクをレイアウトできます。

島型の特徴は、業務中のコミュニケーションがスムーズに行えることです。
お互い向き合って座るため、相談したり指示したりが容易でき、グループワークを大切にする業務に最適です。

また、島側面いわゆるお誕生日席に管理職の席、上司席を設けることで上司が自身の部署を管理しやすいメリットもあります。

一方でプライバシーの確保が難しく集中した作業には向きません。このデメリットを補うためにローパーテーションで前面、側面を囲うなどの対策もあります。

メリット
  • グループの連帯感がもてる
  • 島内でのコミュニケーションが取りやすい
  • 最小のスペースで配置ができるため面積効率が良い
  • 配置によって、部署の構成や上下関係がわかる
デメリット
  • 集中作業に向かない
  • ありふれていて斬新さはない

パターン2)同向式レイアウト <学校式・スクール式・並列式>

同向式レイアウト

連携を必要とする業務の職種には効率的なレイアウト。
書類や伝票の流れ(ペーパーフロー)に合わせてデスク配置ができます。全従業員が来客方向を向くためお客様に対する姿勢を見せられるのも特徴です。銀行などの窓口や受付業務のある店舗、コールセンターなどに向いています。

従業員のデスク1~3名程度を1組とし同一方向に向くように並べ、管理者のデスクは最後列、もしくは横側に配置します。

但し、同行式レイアウトの最大の特徴は管理・監視の色合いが強い点です。その点から従業員に敬遠されがちであることやスペース効率的に対向式レイアウトに劣る為、一般のオフィスでの採用は多くはありません。

メリット
  • 業務の流れがスムーズで機能的
  • 適度なプライバシーとコミュニケーションの両立ができる
  • トップダウン型の情報共有がしやすい
デメリット
  • 管理、監視の色が強い
  • 部署内のコミュニケーションが取りづらい
  • スペース効率が悪い

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パターン3)左右対向式レイアウト <シンメトリー型>

左右対向式レイアウト

列ごとにデスクの向きを変え、互い違いに並べるレイアウトです。
デスク間にローパーテーションやキャビネットなどの収納で仕切る事で個人スペースが確保できるため、お互いに相手が何をしているか見えにくく、自身の業務に集中しやすいのがメリットです。開発や設計部門など思考、創造性の高い業務に向きます。

ただし1人当たりに広いスペースが必要になる上、グループ間でのコミュニケーションが難しくなってしまいます。
また、上司席の位置は人の通りが最も少ない席、動線側ではない場所になります。
プライバシーが確保されているため上司本人の仕事ははかどりますが、部下がそれぞれ今どの仕事をしているのか一目ではわからないというデメリットもあります。

メリット
  • プライバシーが高く作業に集中しやすい
  • 秘匿性の高い情報の保護ができる
  • キャビネットなどの収納を挟むと情報整理、執務動作の効率が良い
デメリット
  • コミュニケーションが取りにくい
  • 外出や離席率が高い業務には向いていない

パターン4)背面型レイアウト

背面型レイアウト

背中合わせで1チームとするレイアウト。後ろを向いたらすぐ近くにチームのメンバーがいるためコミュニケーションが取りやすく、プロジェクト単位での仕事が進めやすいのが特徴です。

中央にミーティングテーブルを配置するパターンもあり、コミュニケーションから打ち合わせまでチーム間でのやり取りのしやすさは抜群です。

上司席はチーム内に配置、もしくはチームの側面に配置することになります。

ただし、チーム間のコミュニケーション・プライバシーが確保される一方で他のチームとは隔たりができてしまうため、自身のチームメンバー以外の従業員とはコミュニケーションが希薄になってしまいがちというデメリットもあります。

メリット
  • 向かい合わせに人がいないので集中しやすい
  • 後ろにメンバーがいるのでコミュニケーションをとりやすい
デメリット
  • スペース効率が悪い
  • 他のチームとのコミュニケーションが希薄になる

パターン5)卍型レイアウト

卍型レイアウト

4人1組でデスクを卍型に配置したレイアウト。
各々の目線が交差しないためある程度のプライバシーを確保しつつ、横を向いたらコミュニケーションをとれる、プライバシーとコミュニケーションの塩梅が良いのが特徴です。

上司の席は人の通りが最も少ない席、動線側ではない席に配置することになります。

ただし、グループ1つあたりに大きなスペースを確保しないと配置できないためスペース効率は悪いです。

メリット
  • 目線が合いにくく、ある程度のプライバシーが確保できる
  • 90°顔をふればコミュニケーションが可能
デメリット
  • スペース効率が悪い

パターン6)ベンゼン型レイアウト <亀甲型>

ベンゼン型レイアウト

Y字型を2組配置するのが特徴で、島が増えると亀の甲羅のように見えるレイアウトです。

背中合わせの一組をユニットとして中央にテーブルを置くことでグループ内のコミュニケーションを容易にとれる点や一人あたりの作業スペースが付録とれるため資料を大きく広げる業務に適します。そのため他のレイアウトパターンと比較してより広いスペースが必要となります。

メリット
  • 後ろにメンバーがいるのでコミュニケーションをとりやすい
  • 1人あたりの作業スペースが広め
デメリット
  • スペース効率が悪く、非常に大きなスペースが必要

パターン7)フリーアドレス式レイアウト

ベンゼン型レイアウト

個人ごとに特定の席を設けないスタイル。外出が多く、離席率が高い営業職などには最適なレイアウトです。

出社したら空いている席を使用するスタイルなため、他部署の人と隣り合わせ、向かい合わせになる事で、固定席では関わることがない人々とのコミュニケーションが期待できます。

在席率を考慮しあえて100%の席を設けずに配置することも多く、メンバー分の全席を設けるよりもコスト削減につながります。

その一方で、メンバーの所在が不明確などのデメリットもあります。このデメリットを補うために全席をフリーアドレスにするのではなく、グループ間でのフリーアドレスや離席率の高い一部の部署のみをフリーアドレスとするパターンもあります。

メリット
  • さまざまな部署や立場の違うメンバーとのコミュニケーションが生まれやすくなる
  • スペース効率が良い
デメリット
  • 使用するメンバーの積極性や主体性が必要になる
  • 集中が難しいため、居心地が悪いと感じる人がでてくる可能性も
  • メンバーの所在が不明確になることもある
  • 書庫スペースやロッカーなどのスペースが必要となる

⇒フリーアドレスを活用した事例をチェックする

パターン8)ABW式レイアウト

ABW式レイアウト

ABW式レイアウトは厳密にいうとフリーアドレス式の一種になります。
ABW(Activity Based Working)とは働く場所や時間を柔軟かつ自由に選択できる働き方です。オフィスの中や外で、仕事内容や目的にあわせて働く場所を選択するワークスタイルです。
その場所はオフィスだけでなく、自宅、カフェ、移動中や、サテライトオフィス、コーワーキングスペース、シェアオフィスも選択肢に含まれます。

オフィスのレイアウトにおいては複数の執務バリエーションを用意し、仕事内容に合わせて席を選べるパフォーマンス重視のフリーアドレスと言えます。
フリーアドレスデスクだけでなく1人で集中しやすい個室や、気軽に集まれるミーティングスペースなど定番のスペースや小休憩ができるカフェスペースやラウンジを設置するケースもあります。

いずれにしても、メンバーが業務内容に適したスペースを自主的に選択できるようにするレイアウト、および考え方がABWです。
チームやプロジェクトなど業務目的で必要に応じ集まれる点や、より適した場所で働くことが可能になるため生産性や業務効率を上げる点がメリットにあげられます。また限られたオフィススペース効率化、時間の有効活用にもつながると考えられます。

一方で個人の荷物を保管する場所が必要になること、メンバーの所在が不明確というフリーアドレス特有のデメリットもあるため、書庫キャビネットやパーソナルロッカーなどで荷物置き場の確保や部署での使い分け等による対策も必要となります。

メリット
  • さまざまな部署や立場の違うメンバーとのコミュニケーションが生まれやすくなる
  • 従業員の自主性が確保されるため従業員満足度の向上や知識・アイディアの共有が円滑になる
デメリット
  • 使用するメンバーの積極性や主体性が必要になる
  • メンバーの所在が不明確になることもある
  • 書庫スペースやロッカーなどのスペースが必要となる

まとめ:快適なデスク配置で業務効率を上げよう

デスク配置による業務の効率化、質の向上を図るには、ワークスタイルや業務形態、企業風土、社員のニーズなど多くの視点から適切な情報を汲み取る必要があります。
その上で、デスクの配置パターンや必要なスペースの割り当て、人が通る為の動線を確保していきましょう。

理想のオフィスを完成させるには、レイアウトだけでなく法規面の知識も理解しておく必要があります。より良いレイアウトを見つけたい、理想のオフィスを実現したいという場合は、オフィスレイアウトのプロに相談してみましょう。

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