住宅デザイン、飲食店、店舗などが、時代の生活ニーズに合わせたスタイルでデザインが変化していくのと同様に、オフィスデザインも市況や働き方の変化によってトレンドがあり、常に移り変わっています。
20年前のオフィス
20年ほど前のオフィスデザインは、働き方や生産性というよりも、来客や役職待遇を重視する見た目やおもてなし思考の強いものがトレンドでした。
ローズ系の色合いの重厚感のある木製家具や革張りのソファが、応接室、会議室、役員室の内装や家具として多く取り入れられていました。一方でワークスペースはコストを掛けないと考える企業も多く、できるだけデスクや収納を多く配置しました。内装工事はせずにオフィスを仕切る壁は短期で工事が可能なスチールパーティションが普及。同時にオフィスはガラスとパーティションの組み合わせ、そしてオフィス家具もベージュやグレー系のスチール性の家具が大半を締め、色合いの少ない無機質なオフィスが多く見られました。
今のオフィス
最近のオフィスデザインのトレンドは、働き方とコミュニケーションを中心としたオフィスづくりへ。
これはアメリカ西海岸にあるシリコンバレーに集まる企業、アップルやインテル、グーグル、フェイスブック、ヤフーなど、世界を代表するソフト・IT関連の企業の働き方やコミュニケーション、創造性を生み出すオフィスデザインが日本にも大きく影響し、取り入れられてきました。こうした流れから日本のオフィスでも対外的に見せることから、働き方の改革と共にワークスペース内のデザインに趣が移行してきました。
コミュニケーションの変化にともなうオフィス内の変化
オフィスデザイン事例
株式会社ホワイトプラス様(東京都品川区)
ITインフラの普及に伴いSNSでのコミュニケーションが社内でも頻繁に行われるようになりました。またスピーディーで柔軟性を大切にするという背景から、気軽に集まれるスポットがオフィス内に多く見られるようになっていきます。カフェのようなデザインで気軽に集まれて会話のできる雰囲気づくり。またそこで使われる家具も木製を中心とした家具がコーディネートされています。
今までは打ち合わせをするためにミーティングルームを多く併設していたものが、オープンスタイルの空間の中で、ファミレスなどにあるボックスタイプのソファなどを取り入れ、多少のプライバシーを作る程度の仕様となっています。こうした設備にBGMを流すことで、お互いの会話も気にならないような配慮もなされたりしています。
まとめ
ワークスペース内はフリーアドレスタイプのデスクが主流となり、日常的に自ら席を選ぶことによって向かいや隣に座るメンバーも変わり、メンバー同士のコミュニケーションが生まれる工夫がされています。現在のオフィスデザインのトレンドは、生産的に作業をこなす場から、創造性やコミュニケーションを生み出すオフィスに変わりつつあります。
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