オフィスの内装工事にはどのくらいの期間がかかるのか。
これを知らずにオフィス移転のスケジュールを組むことはできません。
なぜなら賃貸オフィスは、借りてすぐ入居できるわけではありません。業務ができるオフィスにするために内装工事が必要になります。空間を仕切る間仕切りやパーテーション工事、壁や床工事、床下の配線工事など、これらの工事にどのくらいの期間がかかるのかを知って、適切な時期に準備をはじめましょう。
内装工事のプロセスは工程表にあり
ここでは、オフィスバスターズデザインが実際のオフィス移転プロジェクトで作成した工程表をもとに、内装工事の期間について解説していきます。
工程表とは、主にスケジュール管理を目的として作成する工事の予定表のことで、移転日をゴールとして内装工事がどのように進むのか、いつまでに誰が何をするのか、タスクが記載されています。
協力会社やビル管理会社、他テナントとも共有して作業の進捗状況を把握することで、工事を滞りなく進めことができる、オフィス内装工事には不可欠なのものです。
<100坪オフィスへ移転した場合の工程表>
内装工事の種類と施工期間
ビルの仕様や、オフィスの広さ、工事内容などの条件により幅があるので、あくまで目安としてお考えいただきたいのですが、オフィスバスターズデザインにおける内装工事の施工期間の平均は、1ヶ月~1ヶ月半です。
どのような工事があり、どのくらいの期間がかかるのか見ていきます。
建築工事
建築工事とは、壁、床、天井の施工など、空間を作り上げるための内装工事です。
- 部屋を仕切る間仕切工事(LGS壁、各種パーティション)
- 床のタイルカーペット、壁や天井の壁紙など内装仕上工事
- 窓や扉の建具をとりつける建具工事
- 既製品にはないものを作る造作工事
が含まれます。建築工事は工期として最も長い期間を必要とします。理由としては、壁の取り付けなど大きな音の出る音出し工事は、ビルの規定により土日や夜間のみ許可されていることが多くあるからです。
また、確保に時間のかかる材料を使用する場合や受注生産品を設置する場合は工事の前に材料調達の時間も必要となります。
建築工事を詳しく知りたいかたはこちらの記事をどうぞ
照明・電気設備工事
- 天井の照明追加
- デスクや会議室のOAタップ電源
- 部屋の照明スイッチ追加
などが該当します。電気の配線は床や壁、天井、間仕切りを這わせて行います。これを先行配線と呼びます。電気配線は建築工事と絡むため、スケジュール調整に気を遣うことが多い工事です。
例えば、会議室を天井までのパーテーションで作る場合、
パーテーションが入る前に天井から配線を這わせ、パーテーションの設置と同時に照明スイッチ用の配線を中に這わせる必要がある、など。パーテーション設置、電気配線、それぞれの工事の職人さんの入るタイミングとスケジュール調整が必要です。
空調設備工事
- エアコンや換気
- 排煙設備や配管
- ダクト工事
など、室内の過ごしやすい環境をつくるのが、空調設備工事です。
天井までパーテーションで区切って会議室を設置する場合、既設のエアコンとは別に新設でエアコンを取り付けることがあります。
衛生設備工事
オフィスの衛生環境を維持し向上させるため、水回りの設備は欠かせません。
- トイレ設備の改修や新設
- 洗面台や給湯設備
- 飲料水供給のための水道管の修理や交換
- 浄水器の設置
などが含まれます。
防災設備工事
火災や地震その他の自然災害に備え、安全性と避難の効率を上げるために行われるのが防災設備工事です。
- スプリンクラーなどの消火設備
- 消火器
- 火災報知器や誘導灯
- 非常放送設備
など、さまざまな設置が消防法などの法規によって義務付けられています。
弱電(電話・LAN)工事
- 電話
- 有線LANケーブルの配線工事
配線はオフィス内の通行の邪魔にならないよう、壁や床の下に配線、もしくは配線カバーを施し保護します。
セキュリティ工事
大切な社員と企業の情報を守るオフィスのセキュリティ工事。
安心・安全なオフィスには欠かせません。
カードキーや顔認証のほか、スマートフォンが鍵になるもの、入退室管理を兼ねているタイプは、いつ、誰が、入室もしくは退室したのか把握できます。
内装業者への発注のタイミング
内装工事をおこなうには、レイアウトや内装の仕様などの工事内容が決まっていないとできません。工事期間の前2ヶ月ほどオフィスプランニング期間が必要になります。
オフィスレイアウトや内装デザインをどのようにするか、見積内容の比較や、スケジュールなど、時間をかけしっかりとプランを検討します。つまり、内装工事を完成させたい日から逆算して3ヶ月前を目途に「オフィスの内装工事を検討している」と内装業者へ問い合わせると良いでしょう。
移転日まで時間がない!そんな時は
内装工事に1ヶ月~1ヶ月半かかると分かっていても「気に入るオフィスがなかなか見つからなかった」「入居審査で予想以上に時間がかかってしまった」などの理由で、スケジュール通りに進まない場合もあります。それでも移転日は動かせない。そんな時、いくつか検討できることがあります。
まず業者と相談しましょう、解決策を提案してもらえるはずです。
● 施工期間を短縮する
▽材料や素材の見直し
即納できる在庫品を優先的に利用し、調達までの時間を短縮する。
▽工法の見直し
内装工事の工法を変え、工程期間を短縮する。
例えば、壁の手塗りなら6日間かかるところ壁紙クロス貼りに変更し2日間で終わらせる、など。
▽作業スタッフの追加
工事に関わるスタッフを増やし、その分の施工期間を短縮する。
▽夜間作業を行う
日中だけでなく夜間作業も行い、その分の施工期間を短縮する。
● 一部の工事をあと倒しにする
施工期間の短縮とは違う解決策として、一部の工事をあと倒しにする方法があります。
業務の中枢となる執務エリアや会議室の工事を移転日までに終わらせ、エントランスの造作工事は移転後に行うなどの手段が考えられます。
まとめ
オフィス内装工事にはどのような種類があり、どのくらいの施工期間がかかるか、ご理解いただけたでしょうか。
オフィスバスターズデザインでは工程表の作成も無料で行っております。オフィス内装や移転プロジェクトを安心して進められるようサポートしておりますのでお気軽にお問い合わせください。