3K、5Sなど、オフィスでは普段聞き慣れない言葉が飛び交うことがあります。企業によってアレンジが施されていることもありますが、読み解くことで働き方改革のヒントが見えてくるかも?
3K(汚い、危険、きつい)
「汚い、危険、きつい」の頭文字。英語だとDirty Dangerous Demeaningで3Dになります。
大工さん、看護師さんなどの職業の三重苦をシンプルに表現した言葉です。
さらに、「給料が安い、休暇がない、かっこわるい」という自虐的な表現も見受けられます。大工さんも看護師さんもお給料は高いイメージがありますが、割に合わないということでしょうか。
オフィスで働く女性に対して語られる「きれい、気配り、きつい」の3Kもあります。身だしなみも周囲への気配りも求められ、その上仕事も抜かりなく、なんてことなかなかできることではありません。男女差別の風潮も拭いきれていないようで、きついと思うのも当然です。
「結婚できない、心を病む」を足して5Kとすることもあります。こんな人を見つけたら話を聞いてそっと抱きしめてあげましょう。社会人って大変なんだな・・・
あるドラマでは、法医解剖医が7K(汚い、危険、きつい、規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない)だという表現もされていました。おそらく取材で生まれた脚本の表現でしょうが、笑って言えるのがすごい。
新3K(きつい、帰れない、給料安い)
3Kが主にブルーカラー従業者の心の叫びとすると、こちらはホワイトカラーのもの。
「きつい、帰れない、給料が安い」の頭文字をとって新3Kとなります。大学を卒業し、晴れてIT系ビジネスマンとなり、希望に胸躍らせていたところにこの現実を突きつけられる。涙なしには語れなかったでしょう。
イメージ向上を図るために設定されたキャッチコピーのようなものもあります。国土交通省が発表した、建設業従業者に向けたスローガンは「給料、休日、希望」を新3Kとし、高い給料・長い休日・希望を持てる職場づくりを目標とするものです。これは建設業に限らずすべての職業にぜひ実行していただきたい。
5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)
動線と優先順位を考えて整頓し、
清掃、点検を行い、
清潔な状態を保ち、
それを維持できるような習慣をつける
ということです。
企業では、5S活動を徹底して実践することで、ムダを省き、生産性を高めることができる、という考えが主流になってきています。
すぐに見込める効果があるとすれば、不要な書類を処分したあと、スペースが活用できるようになるということ。トランクルームなどに保管していた書類がなくなれば、その分コストが浮くことになります。オフィスの賃料を見直すきっかけになるかもしれません。
書類の山を見ると、あれもしなきゃ、これも納期が・・・などと考えてしまいませんか?書類を整理するときに納期やタスクの重さもチェックできるので、頭もスッキリ整頓され、仕事をムダなくこなせるようになるでしょう。
5Sが行き届いてスッキリしたオフィスでは、障害物となるモノが少なく、ヒヤリ・ハットのリスクも減るのでは?動線の見直しもしやすいので、オフィス環境を改善するための一歩となりますね。レイアウト変更の際、社員の負担も減らせるはずです。
企業によっては、「作法」「しっかり」「勤勉(Sincerity)」「安全(Safety)」など、Sを足しているところもあるようです。日本を背負うような大企業でも、5Sのマインドは徹底して実践されているようです。
まとめ
今回紹介した3Kと5Sは、略語で定着しているため、その意味を深く考える機会が少ないかもしれませんが、働き方改革をする上で欠かせない心構えです。今の職場は3Kでないか、アンケートなどで現状を把握し、5S活動で業務効率を改善することで、企業が成長するきっかけになるといいですね。