2022.11.28

オフィスの排煙設備について

オフィスの排煙設備について

排煙規定は、火災時に発生した煙が室内・通路等に充満し、避難に支障をきたすことのないよう昭和45年(1970年)の法改正により設けられたものです。
法改正以前に建てられたオフィスに関してはこの規定は該当しません。

排煙設備が必要なオフィス

建築基準法により、以下の条件の建物には、排煙設備の設置が必要です。
①3階建て以上で延べ面積が500平米をこえるもの
②延べ面積が1,000平米を超えるオフィスの200平米以上の居室
③排煙上の無窓居室
※上記①②は高さが31メートル以下の部分で100平米以内ごとに防煙壁で区画された居室は除きます。

排煙設備の方式

自然排煙方式

自然排煙方式とは、煙が自然と上へ立ちのぼる性質を利用し、天井付近に設置した開口部(窓)から外へ煙を排出する方式のことです。
防煙区画部分の床面積の50分の1以上の有効排煙開口面積が必要です。

排煙設備 自然排煙方式

機械排煙方式

排煙機で強制的に煙を排出する方式で、120立方メートル/毎分かつ、防煙区画部分の床面積1平米につき1立方メートル(2ヶ所以上の防煙区画に係る排煙機にあっては床面積1平米につき2立方メートル)以上の排煙能力が必要です。
一般に、機械排煙方式には以下の2種類があります。

(1) 排煙口に排煙ダクトを直結し排煙する方式
下図のように、各室の排煙口に排煙ダクトを直結して排煙を行う方式です。
排煙設備 ダクト方式

 

(2) 天井チャンバー方式
各室天井に排煙口を設けているが、天井内は同一空間とし、その空間に対して排煙ダクトを接続し排煙を行う方法。

排煙設備 天井チャンバー方式

排煙設備の構造

防煙区画

防煙区画とは、煙の拡散を防止し排煙効率をよくするためのもので、床面積500平米以内ごとに防煙壁で区画しなければなりません。

防煙壁は、間仕切壁もしくは、天井面から50センチ以上、下方に突き出した垂壁で、いずれの場合も不燃材料でつくるか、覆われたものでなければなりません。

※天井チャンバー方式の場合は天井内のスラブ面から天井面までと、その直下に天井面から25センチ以上の防煙壁を設けて区画しなければなりません。

排煙口

排煙口は自然排煙方式では外部に面した開口部、機械排煙方式では室内の天井・壁に設けた排煙用開口部です。いずれも天井面または天井から下方80センチ以内かつ、直近の防煙垂壁の下端より上部に設置しなければなりません。[下図参照]

 

 

ただし、天井高が3メートル以上の場合は天井高の2分の1以上かつ、2.1メートル以上の部分に設置することができます。[下図参照]

 

また防煙区画部分のそれぞれについて、当該防煙区画内の各部分からもっとも近い排煙口までの水平距離は30メートル以下としなければなりません。

手動開放装置(クレセント、押しボタン、回転ハンドル・ロープ等)

排煙口には手動開放装置の設置が必要です。煙感知器と連動する自動開放とした場合でも手動開放装置は設置する必要があります。
設置位置は壁に設ける場合は床面から高さ80センチ以上、1.5メートル以下の範囲に、天井から吊り下げる場合は床面からおおむね1.8メートルの高さに設置しなければなりません。[下図参照]

告示による排煙設備の免除

建築物の部分が「平成12年建設省告示第1436号4-ハ、ニ」に適合していれば排煙設備を設けた場合と同等の効力があるものとして、排煙設備は免除されます。

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