2019.02.14

意外に見落としがちなオフィスの防災設備

意外に見落としがちなオフィスの防災設備

オフィスには人命を守るために様々な防災設備が設置されています。
入居時やレイアウト変更の際は設備の変更や追加の可能性が高いため、
内装や家具だけの予算ではなく、設備の予算もしっかり確保することをおススメします!

特に防災設備の工事は基本的にビルの指定業者に決まっていることが多く、相見積もり等で費用を下げることが難しいです。
また法規的に設置が義務付けられているため、「金額が高いからここは設置なし!」みたいなことはできません。
レイアウトや間取りの変更を余儀なくされるケースもありますので注意してください。

では具体的にどのような設備が必要なのかをご説明します!

消火器

消火器を知らない方はいないと思いますが、実はオフィスにも必ず必要なんです。
ビル管理会社が設置・管理してくれていることが多いです。
ただし、実は消火器は年に1回点検が必要なんです。さらに使用期限があるんです!
きっとオフィスのどこかに潜んでいますので、いつ点検がされたか、また使用期限を過ぎていないかチェックしてみてください。

 

自動火災報知機

下の写真は火災報知機

こちらは事務所用途で延床面積が1,000㎡以上の建物に設置義務があります。
おそらくほとんどのビルで設置してありますので、天井を見渡してください。
また基本的には各部屋に1つずつ必要になります。
機能としては学校にあった、通称:非常ベル(絶対に1年に1回は誰かが押すやつ)の火災報知機の自動バージョンです。
非常ベルとの違いは、感知器(熱や煙に反応する)がついており、受信盤という制御装置のようなものがビルのどこかに設置されていることです。
それにより何階で火事が起きているのかが分かるようになっています。
非常に敏感な装置もあり、蒸気などで反応するものもあるそうなのでお気を付けください!

 

非常放送設備

こちらはビルにもよりますが、設置基準としては11階以上に入居される方が対象となります。
また自動火災報知器同様、各部屋に1つずつが基本です。
一般放送のスピーカーと見分けがつきにくいですが、共用部にあるスピーカーと見比べてみて同じであれば、非常放送の可能性が高いです。

 

誘導灯

避難口への誘導を容易にするために設置する設備です。
映画館とかでもよく目立ってるやつですね。
緑と白で表示されていますが、
緑地に白抜き⇒最終出入口や直通階段等
白地に緑矢印⇒曲がり角、廊下等
の違いがあります。
消防署の現地確認で追加、訂正されたりしますので、要注意の項目です。

 

非常照明設備

こちらもほぼほぼ全てのビルに設置されていると思います。
停電などが起きた時しっかり逃げられるように明かりを灯す役割をします。
自動火災報知機や非常放送同様に各部屋に1つずつの設置が基本となります。
設備としては電池内蔵型と別置型があり、内蔵型は照明に紐がついているタイプです。
内蔵型は定期的な電池交換が必要となります。

 

スプリンクラー設備

火災の延焼を防ぐ目的で設置される設備で、11階以上のフロアが対象です。
散水障害や未警戒の部分がないように各部屋の設計をする必要があり、
またスプリンクラーヘッドの下方45cm以上かつ半径30cm以上モノがない状況にする必要があります。
上記理由から各ビル管理会社及び設計会社との打合せが必須となります。

 

以上となります。
もし消防署から防災で指摘を受けるとすると、上記のほかには避難器具と防火管理者の選任、および消防計画の作成などでしょうか。

防災への意識はかなり強まってきていますので、これから入居やレイアウト変更をお考えの方は「社員の安全を守っている」という感覚で計画を進めていけばいいと思います。

それではみなさん、ご安全に!

オフィスバスターズデザイン