2022.02.04

オフィスの内装制限と防火性能について

オフィスの内装制限と防火性能について

オフィスは、一定規模以上のもの、あるいは排煙上の無窓居室を有するものについては、居室・廊下・階段等の内装仕上材に対して防火性能の基準が定められています。 これを「内装制限」といいます。(ただし下地材に対する規定はありません。)

防火性能の種別と主な材料

防火性能の種別は不燃・準不燃・難燃の3種類で、これらに該当する材料は法で定めたもの、または国土交通大臣の認定を受けたものとなります。

法で定めたもの(平成12年建設省告示第1400号、1401号、1402号)

不燃材料…コンクリート、ガラス、モルタル、金属板、厚さ12㎜以上の石膏ボードなど
準不燃材料…厚さ15㎜以上の木毛セメント板、厚さ9㎜以上の石膏ボードなど
難燃材料…厚5.5㎜以上の難燃合板、厚さ7㎜以上の石膏ボードなど 内装制限 難燃材料 準不燃材料 不燃材料

国土交通大臣の認定を受けたもの

上記法で定めたものに当てはまるものでも、塗料・接着剤等による複合材となる場合は個別に認定を受けなければなりません。
例:パーティションの表面パネル(石膏ボード・接着剤・金属板・塗料の複合材であるため)壁紙を貼る場合は壁紙の防火種別と下地材の組合せにより防火性能が決められています。(壁紙の防火種別は各製品に対し定められているもので、カタログ等に表示されています)

オフィスバスターズデザインの
法令を遵守した内装素材を見てみる↓↓↓
https://design.officebusters.com/service/carpentry/

内装制限を受けるオフィス

(1) 3階建て以上で延べ面積が500平米をこえるもの
内装制限 3階建て以上で延べ面積が500平米をこえるもの
(2) 2階建てで延べ面積が1,000平米をこえるもの
内装制限 2階建てで延べ面積が1,000平米をこえるもの
(3) 平屋建てで延べ面積が3,000平米をこえるもの
内装制限 平屋建てで延べ面積が3,000平米をこえるもの
(4) 床面積が50平米を超える排煙上の無窓居室(天井高が6メートルを超えるものを除く)を有するもの
内装制限 床面積が50平米を超える排煙上の無窓居室(天井高が6メートルを超えるものを除く)を有するもの
ただし、スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備等で自動式のものと、排煙設備(自然排煙・機械排煙)の両方設けている部分は内装制限の適用を受けません。

内装制限の内容

上記の内装制限を受けるオフィスに対する制限内容は以下の通りとなっています

(1)~(3)に対する内装制限

全ての居室の天井および壁(床から1.2メートル以下の部分を除く)の内装を難燃材料以上とし、各居室から地上に通じる主たる廊下や階段の天井および壁の内装を準不燃材料以上としなくてはなりません。
内装制限 不燃材料

(4)に対する内装制限

当該無窓居室及びその居室から地上に通ずる主たる廊下・階段の天井及び壁の内装を準不燃材料以上としなければなりません。 ただし、この内装制限は建物の規模にかかる基礎的規定であり、実際のオフィスは各種規定の緩和を受けたり、あるいは、避難安全検証法などにより、これより上のランクの防火性能で設計されていることが多いです。 また、ビル独自で規定を設けている場合もあるので、オフィス設計においては事前にビルの内装条件について確認しておくことが必要となります。

照明器具カバー・換気口等

壁又は天井の表面に設ける照明器具のカバー等で防火性能のない物については、その表面積の合計がその壁又は天井の面積の10分の1以下としなければならず、また、天井に設ける換気口等(排煙設備であるものを除く)の面積についても天井面積の10分の1以下としなければなりません。

オフィスバスターズデザイン